歌詞と感情をリンクするには?2/2「あの」の「あ」のイメージを膨らませるテクニックを伝授!

歌詞と感情をリンクするには? -2-

前回では、歌詞に感情をのせて歌うには、

可能な限り自分の体験とリンクさせて歌う事が大切だという事をお伝えしました。

もう、あなたもトライして貰えましたか?

ぐっと感情表現が深まったと思います。

ではさらに、具体的に掘り下げてみましょう!

例えば

小田和正さん ”ラブ・ストーリーは突然に”の歌詞に

「あの日 あの時 あの場所で」

というのがありますよね。

これを言葉として「あの」を漠然と歌ってしまうと、あまりグッと来ません。

音程とリズムが良くても、どこか今一つ足りない歌になってしまいます。

ではどうしたらいいのでしょうか?

ただ言葉として「あの」はなくて自分にとって、「あの日」はいつなのか?

誰とどんな事があった日なのか? 

西暦何年何月何日?

「あの場所」の「あの」は、どんな場所なのか?

海なのか、山なのか、それとも都会なのか?

または、今話題の福山雅治さんの歌に

「あの夏も 海も 空も」という曲があります。

その歌詞の

「あの夏」の ”あの” は、どの、どんな夏だったのか? 

天気は晴れか、雨か、

空はどんな色だったのか、気温は? 

風はどんな感じだったのか、どんな匂いがしてたのか?

どんな気持ちだったのか? 

などなど…

それらを具体的にイメージして歌うと、

驚くことに 「あの」の「あ」のニュアンスひとつにでも

様々な変化が出て来ます。

ただ言葉として「あの日」と歌った声と

具体的なイメージを持って歌った「あの日」の歌った時の

「あ」の響きの違いを聞き手は感じ取っているものなのです。

”ほんとかよ?”

と思うかも知れませんね。

ところが、レコーディングの現場ではディレクターがシンガーに
こんな指示をすることが実際にあります。

「今のテイク、いいんですけど、もう一回「あの」だけ貰っていいですか?」

「はい、はい、いいですね!! では、後ひとつ…「あ」だけ貰っていいですか?」

「ちょっと、「あ」のニュアンスが違いますね…もう一回いいですか?」

(”貰う”とは歌いなおして貰い、再録音する事です。)

というように、「あの」の「あ」の微妙なニュアンスをめぐって、何回もそこだけを録音しなおす。

なんていう事もあるほどなのです!

あなたも具体的なイメージを持って

”あの” ”その” などの言葉一字ごとを

大切に歌ってみてください。

飛躍的に感情表現がアップしますよ!

 

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