ブレスは吸い込んではダメ!これが歌のうまくなる正しい呼吸法

さて、今日はブレスについてレッスンしたいと思いますが
今回は高田ブログ初の連載形式でお届けします。

声は肺からの息の圧力で声帯を開け閉めさせた時に生じる音です。
ですから、あたりまえですが、まず肺から息がスムースに送られてこないと上手く歌えないわけですね。

歌が ”呼吸の芸術”と呼ばれるのも分かりますね。

その為には、息を吐く前にまず空気を上手に肺に入れないといけないわけです。
実は、一番シンプルなこの最初のアクションで
多くの人が間違ったイメージを持ってしまっているのです。
その間違ったイメージの為に、

ロングトーンが出来ない
声が枯れやすい
音程が不安定
高音が出ない
歌うと体力をすごく消耗する

など、沢山の勿体ない事が起こってしまいます。

あなたも思い当たる節がありませんか?
★間違ったイメージの解説

では、いくつかの間違ったイメージを一つずつ解説して行きましょう。
一つ目は、

1,息は吸い込まなければいけないと思っている。

「え?」

と思うかもしれませんが、実は息を吸い込もうとする事がまず間違っているのです!!

実はあなたが空気を必死に吸い込もうとしなくても、
空気の方があなたの肺に入り込みたくてしょうがないのですよ!!

その理由は?

そして、正しい空気の取り込み方とは?

間違っているのは、肺という風船が体にあって、それを一生懸命広げると
ストローから空気を吸い込むような抵抗に打ち勝ってやっと
空気が肺に入ってくるというイメージです。

普通は誰もが無邪気にこう思うのです、
実はこれが大間違いなのです!!

なぜなら、まず、肺は風船とは違い弾力性のないただの袋なのです。
肺はそれ自体では心臓のようにドッキン、ドッキンと自発的な活動する事ができません。
★正しい呼吸のイメージ

では、どうやって空気をとりいれるかと言うと、肺の周りにある肋間筋や横隔膜、腹筋などで肺のまわりの空間を広げてやるのです。

そうすると、肺の空間が広がります。

ご存知のように空間には大気圧が満ちていますね。
そしてて、空気君達は自分たちよりも少しでも圧力の低い空間があれば
入り込みたくてウズウズしているのです。

そこで、肋間筋や横隔膜の働きで肺の空間が広がると、小学校理科の時に習ったボイルの法則で肺の中の圧力が低くなります。

そしたら、勝手に大気圧に押されて空気君達は、「やった~、それいけ!」とばかり自分達の方から肺の中に滑り込んで行くのです!!

ちょっと、分かり辛いかもしれないので、例をあげますね。

例えば、あなたが海底に立っていて、口を開けた状態を想像してみてください。水圧で勝手に水が肺に流れ込んできますよね。

これと同じ事なのです!

大気圧は海の水と違って目には見えませんし、普段は全く感じませんが常にあなたの周りに満ちているのです。そして、すきさえ有ればあなたの肺の中に張り込もうと狙っているのです! 努力して空気を必死に吸い込む必要は必要は全くありません。

これは、正に目から鱗かもしれませんね!

特に、腹筋や背筋をアスリートのようにギンギンに鍛えなくても
ただ「すっと」お腹、脇腹、背中という体の低い方を開けば
その瞬間に空気のほうから肺に入り込んで来てくれるから有り難い話です。

この呼吸の要領が掴めたら、無駄な体力を使わないわけですから。
とても体が疲れ辛くなります。
息を出すコントロームも無駄がなくなるので、音程や声量も安定します。
勿論、ロングトーンも上手くなります。

なぜかというと、普通は一生懸命に息を吸おうとするので
吸入が多すぎてしまうのです。そうすると、逆に空気は
外に出たくてしょうがなくなり、あなたが歌おうとしたらあっと言う間に息が外にでてしまい、声が続かなくなってしまうのです。

また、息を肺に取り込むのに
音を立てる必要はまるでありません。

逆に、息を吸う時に「ハッ」と音を立ててしまうのは、空気の通り道を狭めてしまっている証拠です。
これでは、効率良く空気を取り込めないばかりか、声帯が乾きやすくなりのどが疲れる原因になってしまうのです。

「ハッ」という雑音を立てずに息を取り入れられたら、息の通り道を狭めていないので最大に効率良く息を取り込む事ができますよ。

どうですか?

正しい、基本の呼吸イメージを持つだけでいろんな事が解決する事がおわかり頂けましたでしょうか?

例外として、感情表現としてなら、音を立てるブレスは大切なテクニックです。どんどん、効果的に使ってください。

ただし、それは音を立てない基本のブレスが出来てからにしましょう!

これだけで、吃驚するくらい歌が楽に歌えるようになりますよ!

では、今日も最後までありがとうございました。


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TRUE VOICE 主宰 SABURO TAKADA

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