マタハリ
ル ベルベッツのシュガーくんが主演している
ミュージカル「マタハリ」を拝見して来ました。
マタハリは第一次世界大戦中にフランスとドイツの二重スパイ容疑で処刑された悲劇のヒロイン。
史実に基づいた物語。
芸能活動で世界を旅しながら諜報活動をしたのは李香蘭に重なり面白いですね。
絶世の美女ダンサー、マタハリを演じたのは元宝塚の柚希 礼音さん。
冒頭から息を呑む露出の激しい衣装で片足の抱えから完璧なY字ならぬI字バランス!!
そして、完璧にくびれたウエストとシェイプされた手足、
ストイックにマタハリボディを作り上げていた
柚希さんに登場シーンから大拍手が!
歌唱力が抜群で圧巻のテクニックでした。
シュガー君は蘭乃はなさん主演のエリザベートや神田沙也加さん出演のキューティーブロンドでも主役級の役でしたが、今回が1番見せ場が多い役所だったと思います。
takadasaburo.comに発声オタクを自負するコメントをくれた彼ですが、
まさしく彼の歌は素晴らしかった。
僕は職業病でミュージカルを見ても登場人物の発声ばかり気になってしまいます。
「役者さんなのに上手い!!」
とか
「力んでるなぁ〜,声が飛んでない!」
とか
「腹動かし過ぎ !! 息が無駄に強い!!」
「Pichがアバウトだなぁ‥」
「鼻声!!鼻腔に息を送り過ぎ!!」
「口開け過ぎ!」
「ビブラートが雑!揺れが不規則」
など、
めちゃくちゃや嫌な客ですよね。(笑)
でもそれが仕事なのでしょうがない。
勿論、同時にもっとこうしたら楽に声が出ますよ‥と改善策も呟いています。
ところが!!
マタハリのシュガー君は理想的な発声で素晴らしかった!!
無駄な息を一切使わず
声帯の厚さも厚過ぎず薄過ぎず
共鳴もフォルマントのコントロールもベストで
ピンマイクを通り越して生声が客席の1番後ろまで届いていました!
さすが、発声オタクを自負して高田ボイトレ本を読破しているだけの事は有りました。
シュガー君の歌ってる時は
「分かってるな〜」と“発声の鬼*の僕も終始ご機嫌でした。
声量のピークも一曲一曲を120パーセントで歌うのでは無く、物語全体を通してどこをピークにするかをちゃんと考えて歌っているのが良く分かりました。
そして、加藤和樹さん熱演のアルマンを撃ってしまって完全に恋に破れた失意のラドゥの歌。
悲痛な叫びの最大のフォルテシモの後、ラストノートをさらに張って叫びが来るかと聴衆が思った瞬間、逆にピアニシモピアニシモのファルセットロングトーン!!
8小節ぐらいあったと思いますが、最後にはちゃんとビブラートまでかけて余裕のコントロールを見せてくれました。
拍手喝采が沸き起こったのは言うまでもないですね。
勿論、主演の柚希礼音さん、加藤和樹さんも
終始観客を魅了する歌と踊り演技、オーラ全てが
素晴らしかった。
加藤和樹さんはアルマンとラドゥのダブルキャストという大変な役所!!
彼のラドゥも見てみたかったです。
再演が有ったら良いですね。
そして、FBの記事を見てオケピで
「ギターを弾いてました!!」
と水澤さんから嬉しいご連絡が!
ギタリストの水澤秀夫さんは
京本政樹さんのツアーでお世話になったバンドマスター
25年ぶり?
コーラスで作曲家のミルク姉妹と知り合った懐かしいお仕事の京本政樹全国ツアー。
オケピのすぐそばの席だったので覗き込めば良かった(⌒-⌒; )
沢山のプレゼントを頂いたマタハリでした!!
● この記事を書いた人 : True Voice 主宰 / 高田三郎
(元) Speech Level Singing 日本初認定ヴォイストレーナー
YAMAHAゴスペル講師、昭和音大非常勤講師
ロサンゼルスから持ち帰ったハリウッドスタイルのヴォイストレーニングとプロシンガーでもある自身が開発した高田メソッドによる科学的、理論的な発声指導法で多くのプロアーティストのヴォイスコーチとして活躍中。
「高い声で歌える本」「ヴォーカリストのための全知識」「カラオケで高得点をたたき出すボイトレ本」など数十冊のボイトレ本の著者でもある。