一本調子の退屈な歌にならない為に
バラードはヴォーカリストの一番の見せ場ですが
「どうもドラマティックにならない!!」
「歌が一本調子になってしまうのはどうしたらいいですか?」
という、ご質問を良く頂きます。
その答えは「 強弱 」にあります。
歌詞をよく読んで生きた感情をのせるというのは大前提ですが、
音量的な強弱というのが、演奏にとって重要な要素です。
僕らが歌う曲は J-POPも含めて基本は西洋音楽ですね。
基本的に表現様式は言語に現れます。
ためしにYoutube動画などでも良いですが、
日本人の話し声と、西洋人の話し声を聞いてみてください。
言葉の意味は置いておいて、ただのサウンドとして聞いてみましょう。
何かが違いますよね。
何が違うかというと、一番は「強弱のレベル」が全く違うのです。
強弱はアクセントとも言いますが、
日本語にとって、強弱はそれほど、重要ではありません。
英語の発音記号にはアクセントの位置が細かく書いてありますよね。
日本語はアクセントよりも、音の高低が重要な言葉です。
ですから、
日本人はピッチ感覚はとても優れている
しかし強弱に関しては
あまり敏感な民族ではない
のです。
洋楽の歌をコピーしても、全く強弱を気にせず、
アクセントを無視して平坦に歌ってしまう。
というか、
お手本の強弱が 鼓膜を振るわせていても脳としてはそれが重要な事だと認識していないので聞き逃しているのです!!
大事なことなのでもう一度言いましょう
脳としてはそれが重要な事だと認識していないので聞き逃しているのです!!
あなたの耳は健康だと思いますので、たしかにその原曲の強弱のある歌唱をしっかりと捉えているはずですね。
でも気づかないうちに自分が日頃慣れ親しんでいる日本語の強弱に脳内変換してしまっているのです。
今、あなたは、強弱が大切な要素である事を知りました。
この瞬間から、音楽の聞こえ方が変わってきますよ!
今までと同じ歌を聴いても
「あれ~、ここは、こんなに小さく歌ってたんだ?!」
「お~、ここは、こんな風に徐々に音を大きくしていたんだ!!」
と今まで認識し逃していた、新鮮な驚きが必ずあるはずです。
インプットしていないものはアウトプットできません。
だから、今まであなたの歌は平坦だったのです。
ですが、安心してくださいね。
そこに気がついた今日からは強弱についてのインプットが増えるので
これからは段々とドラマティックなアウトプットができるようになるのです。そしてきっと素晴らしい歌の表現力を身につけることができます。
歌って、奥が深くて最高ですね。
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TRUE VOICE 主宰 SABURO TAKADA
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● この記事を書いた人 : True Voice 主宰 / 高田三郎
(元) Speech Level Singing 日本初認定ヴォイストレーナー
YAMAHAゴスペル講師、昭和音大非常勤講師
ロサンゼルスから持ち帰ったハリウッドスタイルのヴォイストレーニングとプロシンガーでもある自身が開発した高田メソッドによる科学的、理論的な発声指導法で多くのプロアーティストのヴォイスコーチとして活躍中。
「高い声で歌える本」「ヴォーカリストのための全知識」「カラオケで高得点をたたき出すボイトレ本」など数十冊のボイトレ本の著者でもある。